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アンリツインフィビス『テクニカルノート』

テクニカルノート Vol.13 2020年9月

オートチェッカとの上手な付き合い方 ゼロセット異常編

オートチェッカは「自動はかり」として食品、医薬品、工業製品などの質量や欠品目的で幅広くご使用いただき、製造ラインには欠かせない検査機になっています。今回は、オートチェッカを使用するときに知っておいていただきたいゼロセット異常の対策について解説します。

まず「ゼロ点」とは、秤(はかり)の上に被計量物が載っていないときに示す値です。ご自宅にある体重計をご想像いただければわかりますが、特別な設定がされていない状態では、0(ゼロ)を示します。自動はかりであるオートチェッカも、秤量部に物が載っていない状態では表示値0(ゼロ)g を示すようバランス調整されていますが、生産施設内の温度や湿度の変化、空調から出てくる風、床振動などの要因で、ゼロ点のずれが起きることがあります。

正常稼働時には、オートチェッカが自動でゼロ点の補正をかける機能が作動していますが、これを「オートゼロセット(ゼロ点補正)」と呼び、重要な機能の一つです。

ゼロセット異常

ゼロ点がずれると何が問題?

オートチェッカは自動化ラインに組み込まれて使われるので、ラインを止めてゼロ点の補正を人がすることは現実的ではありません。そのため、オートチェッカは生産中に商品と商品の隙間(商品が流れていないわずかな時間)を見計らい、操作者の介在なしに自動でゼロ点の補正をかけています。当社ではこれを「オートゼロセット」と呼んでいます。

ゼロ点がずれることで商品の重量値を実際よりも重く、または軽く量ってしまい、表示される測定値が不正確になっていきます。測定値が実重量により近くなるよう、オートゼロセットを行います。

オートゼロセットをかけるタイミングで秤量コンベア部(下に秤がある)に荷重がかかると間違った基準でゼロセットをかけてしまい、ゼロ点変動により測定誤差が大きくなる可能性があります。そこで、さらに許容範囲を超えた場合は、オートチェッカがゼロセット異常のアラームを出して停止するようにできています。

オートチェッカをご利用いただいているお客さまより当社のお客さまサポートセンターにいただくお問い合わせの約3割がゼロセット異常に起因するものです。これらは正しい点検と調整・清掃を行うことで回避でき、万が一発生した場合でも、お客さま自身で比較的復旧させやすいです。「ゼロセット異常」に関するよくある原因とその対策について詳しく解説します。

ゼロセット異常が発生する要因と対処方法

「秤量コンベア部」は秤ユニットだけでなく、コンベア、モーター、受台(青線)から構成されています。それらは秤ユニットに直結しているため、このうちの1つにでも外部からの力が加わるとゼロ点がずれてゼロセット異常が起きる可能性があります。

非防水秤量コンベア部、防水秤量コンベア部

要因1

お問い合わせいただいたときに、弊社担当者はエラーの原因を特定するため、「秤量コンベア部に選別部、ケーブルなどが接触していませんか?」と確認させていただいています。お電話では問題ないと回答いただいても、サービスマンが現場に足を運んで確認すると選別部が秤量コンベア部に接触していることが多々あります。

ドロップアウト選別部が秤量コンベア部に接触
ドロップアウト選別部が秤量コンベア部に接触

異常表示画面例(当社機器)
異常表示画面例(当社機器)

対処方法

ゼロセットボタンを押しても、異常表示の画面が消えないときは秤量コンベア部に選別部、センサやモーターのケーブルが接触していないか、上からだけでなく、横や正面からも観察してください。

要因2

助走部、選別部のベルトが劣化により端部がほつれてめくれると秤量部のコンベアを一定周期で叩くことがあります。前述したようにオートチェッカがオートゼロセットをかけるタイミングで外部からストレスが加わるとゼロ補正が正しく機能せず、測定誤差が大きくなる可能性があります。

ベルトのほつれが秤量コンベア部に接触

異常表示画面例(当社機器)
異常表示画面例(当社機器)

対処方法

定期的に搬送ベルトを取り外し、端面のほつれや剥離がないことを確認します。反りやほつれがある場合、ベルトの交換、あるいはほつれ部分の切断などを行い、ほつれ部分がセンサを遮らないようにしてください。

要因3

意外と知られていないのがオプション品を含めた部品の着け忘れによるゼロセット異常の発生です。生産終了後、駆動ベルトカバー、ワークガイド、渡し板などを取り外して清掃し、再度装着する際に部品の一部を着け忘れることがあります。すると部品数の不足から秤にかかる荷重が軽くなり、表示値がマイナス側を表示します。特に駆動ベルトカバーの着け忘れが多いようです。この状態でコンベアを起動するとゼロセット異常が起きます。

カバーが着いたゼロ点が正常な状態、カバーを着け忘れによるゼロセット異常

対処方法

秤量コンベアの部品がすべて装着されているか確認してください。確認終了後にゼロセットボタンを押してください。

要因4

清掃不良が原因で、ゼロセット異常が出ることがあります。商品から剥がれた表示ラベル、包装不良により外に漏れたおにぎりの米粒、蓋をする前の容器からこぼれた総菜の具材などが秤量コンベアの上や下、部品接合面の隙間に落下し堆積することで補正範囲を超えた荷重が秤にかかるからです。

特に清掃を外部委託している場合、ゼロセット異常が発生して初めて堆積した埃や食品残渣の存在に気が付くことがあるようです。

ラベルが受台に巻きついてゼロ点がプラスにずれた状態、米粒が秤量ユニットとモータカバーに堆積し米粒でゼロ点がプラスにずれた状態

対処方法

エアーブローは埃や食品残渣を取り除く方法の一つですが、見えにくい隙間にそれらが回り込むこともあるので、ウエスを使用して丁寧に清掃することをお勧めします。

秤ユニットの清掃、コンベアを外し、受台の清掃

ガイダンス機能が便利

当社のSSV オートチェッカはエラーが発生すると画面にエラーメッセージとともに、対処法のガイダンスが表示されます。画面右上にある「?ボタン」を押すと、原因と具体的な対処法が画面に表示されます。エラーが発生したときは誰でも気が動転しますが、まずは落ち着いてガイダンスを確認しましょう。もしこれを読んでもわからない場合はサポートセンターに連絡を入れてください。

製品検知異常(投受光器)、製品検知異常(接触)

まとめ

今回はオートチェッカのゼロ点のずれとゼロセット異常をテーマに、生産現場で発生しやすい事例をあげながら対処方法について説明しました。トラブル発生時に迅速な復旧につながれば幸いです。

お手元の取扱説明書を参考にしながら点検、清掃の手順や基準を今一度確認し、関係者と情報共有してオートチェッカを有効にご活用ください。


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