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Technical Note

カプセル剤の市場動向と、全数重量検査の重要性

カプセル剤は ・大きさや溶けやすさが異なる顆粒を組み合わせることができる ・錠剤よりも体内での吸収が速い。 ・錠剤に比べ製造工程が少なく開発期間を短縮できるなどのメリットがあり、コストは錠剤に比べ高いのですが、広く普及しています。今回のテクニカルノートでは、カプセル剤を高精度に全数重量検査する要求が高まってきている背景について、解説いたします。

1. カプセル素材の変化

現在主流となっている汎用的なカプセル(ハードカプセル)は、動物由来の原料を使ったゼラチンカプセルとなります。ゼラチンは、コラーゲンを加熱抽出した動物性たんぱく質のことで、素材は豚や魚、牛由来のゼラチンが使われています。こうした動物由来のカプセルは安価で品質も安定しており、重量管理においては、±4mg以内の管理が可能です。一方で、原料が牛や豚由来であることから、BSE問題や宗教上の理由で近年では使用を避けるケースが増えてきています。また、ゼラチンは温度や湿度の影響を受けやすく、環境によってはカプセル同士や容器への付着が発生することがあります。

植物由来カプセルは、植物性の繊維であるHPMC(ヒドロキプロピルメチルセルロース)やでんぷんなどを使用しています。上記で触れたBSE問題、健康志向、宗教上の問題、温度や湿度への耐性等のニーズに対応する次世代のカプセルで、近年採用されることが多くなってきています。しかし、カプセルの品質が安定していないという欠点があり、その一つとして重量のばらつきが大きいことが課題となっています。こうして、植物由来カプセルの品質を維持するために充填前のカプセルの重量検査が強く求められるようになってきました。

次世代カプセルの登場

2. 新薬の傾向

近年、抗がん剤や免疫抑制剤など、少量で効能や副作用に大きく影響する薬剤が増加してきています。特に、治験薬や高薬理活性薬剤用では、1mg以下の重量管理が必要といわれています。また、薬剤の量だけでなく、充填前カプセルの重量のばらつきは、溶出時間のばらつきをもたらします。これらの理由から、カプセルに充填した後だけではなく、充填前のカプセルの厳密な重量管理も要求されるようになってきています。

高活性薬剤(抗がん剤、免疫抑制剤等)の増加

3. ジェネリック医薬品の拡大

日本政府は、2023年度末までにジェネリック医薬品の数量シェアを全都道府県で8割以上とする目標を示しています。これにともない、委受託生産が増加していることから、不良品流出の阻止やコンタミ対策などを含め、品質管理が重要課題となっています。そのような中で、生産・検査設備の信頼性や使いやすさが求められています。

一方、海外ではインドがジェネリック医薬品の世界の供給工場として定着し、中国も医薬品市場の拡大を目指しているという状況で、低価格化競争による市場淘汰が進行しています。品質や安全性を犠牲にはできない中で、生産効率の改善やコストを重視した生産を行う必要性が高まっています。

カプセル剤

4. カプセル剤の重量検査機に求められること

上記の市場背景を踏まえると、カプセル剤の重量検査機には、高精度計量だけでなく、高い信頼性と使いやすさを兼ね備え、カプセル剤開発から商用生産までの全スケールに対応できることが求められます。また、多様なサイズのカプセルに対応し、充填前カプセルの計量も行える必要があります。

カプセル剤の市場動向と重量管理の必要性

5. 超高精度を実現するフォースバランス秤

当社の最新モデルで採用しているフォースバランス方式は、機械的なバランス機構に位置検出センサと電磁力を用いて荷重と吊り合わせる方式で、吊り合わせるために必要なフォースコイル電流の大きさから質量を求めます。これにより±0.5mgという高精度を実現し、さらにオイル、バネを使用しない構造で、機構部品の劣化もほとんどなく保守も不要になりました。

±0.5mgの高精度を実現したフォースバランス方式の原理

また、フォースバランス方式は、無荷重時の平行状態を微調整する機構であるため、外来振動の影響を受けにくいという特性を持っています。これにより、カプセルを複連(最大30連)で高速に搬送・選別する機構を持ちながらも、安定した高精度計量を実現しています。

外乱振動に強く安定して高精度

6. 信頼性の高いカプセル搬送・選別機構

カプセル剤を優しく正確に搬送することが高精度計量には不可欠ですが、計量後はNG品を確実に排除することで、市場に流出させないことが重要です。当社のカプセル用重量選別機では、選別確認センサでカプセルの選別を監視するとともに、停電の発生など万が一電源遮断が発生した場合には、排除ゲートが強制作動することで、未測定品を後段へ搬送させない万全のフェールセーフ機構を導入しています。

搬送・選別機構

7. おわりに

今回のテクニカルノートでは、カプセル剤の市場動向と共に、なぜいま高精度かつ信頼性の高い全数カプセル重量検査が求められるのか、そしてそれを実現するためにどのような技術が導入されているかについて解説いたしました。ご不明点やご質問等がございましたら、ぜひ弊社の営業窓口へご相談ください。

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