データインテグリティの基礎となるデータ管理とFDA 21 CFR Part 11
生産時のデータ管理の重要性が高まる昨今、よく耳にする「FDA 21 CFR Part11」という言葉。今回はその説明とアンリツが提供する機能について説明します。
●なぜデータ管理が必要なのでしょうか
医薬品を販売するには、当然安全なものでなければなりません。
製造している医薬品が安全であると証明するためには、生産ラインが問題なく稼動していることをデータとして記録し、提示する必要があります。そして、そのデータは、当然信頼に値するものでなくてはいけません。電子データは紙に書かれたものより改ざんされやすいため、データの厳重な管理が必要となります。
●データの信頼性をどう担保するか
間違いなくデータを管理していても、そのデータが信頼足るものである事を証明するのは非常に難しいことです。そのため各国にはデータの信頼性を担保するためのガイドラインが制定されており、このガイドラインに沿ってデータを管理することで、データの完全性を証明し、薬が基準通り製造された証拠とすることができるのです。
●FDA 21 CFR Part11とは
「FDA 21CFR Part11」とは、FDAが制定した「電子データと電子署名」に関する規則で、医薬品や食品の販売許可申請の際に必要な要件です。
「データが容易に改ざんされない」、「データを変更した際に履歴が残る」などが要件として挙げられており、これらを満たすことで電子データや電子署名が従来の紙の記録や手書きの署名と、法的に同等の効力を持つことを保証しています。
●Part11へのアンリツの対応
「適格者認証」、「監査証跡」、「USBメモリへのデータ出力」、「暗号化・復号化」などさまざまな機能を検査機に搭載することでPart11の要件に対応しており、米国で販売する医薬品製造ラインでご利用いただけます。以下その代表的な機能について紹介します。
●適格者認証(ユーザー管理)
Part11では「システムへのアクセスは、許可された権限をもつ個人に限定されていること」などとあります。ユーザー認証機能などの搭載で、システムへのアクセスを制限することができます。

ログオン画面

アクセスレベル登録画面
●監査証跡
Part11では「記録の保管が必要な期間中、記録を正確かつ容易に検索できるよう記録を保護すること」などとあります。アンリツの検査機では、操作や動作の履歴、統計データや動作確認の結果を装置内部に監査証跡として記録し、簡単に検索することができます。

イベント来歴

来歴検索画面
●USBメモリへのデータ出力、暗号化、復号化
Part11では「システム正確性のバリデーション(立証)」、「必要な期間中の記録の保管」などが要求されています。アンリツの検査機では、監査対象のデータだけでなく、一個ずつの検査記録や装置のパラメータ設定値も暗号化し、USBメモリに保存することができます。PCで復号化し管理することも可能です。
●まとめ
データ管理の重要性は今後もますます高まっていくと考えられます。アンリツは様々な機能を搭載し、貴社の円滑なPart11対応を支援します。 Part11に関する疑問やご要望などは、弊社担当までお気軽にお問合せください。