±0.5mgの高精度質量検査を実現※
アンリツのカプセル用重量選別機では、業界最高レベル*である±0.5mgの高精度を実現しています。 今回は高精度な質量検査が求められる背景と、カプセル専用秤に使用している新開発の秤について説明します。
※最高選別精度±0.5㎎は、当社調査結果です。
高精度な質量検査が求められる背景とは
●次世代カプセルの登場
現在主流となっている汎用的なカプセルは、ゼラチンを原料とする「動物由来カプセル」ですが、健康志向、宗教上の問題などから「植物由来カプセル」が登場し使われるようになってきました。
植物由来カプセルでは、生産時に質量にバラつきが発生する可能性が高いため、高精度な質量管理を行う必要があります。
●高活性薬剤(抗がん剤、免疫抑制剤等)の増加
充填量のわずかな差でも効能が変わる高活性薬剤が増加しており、カプセル単体質量のばらつきも無視できないレベルになっています。
充填前(プレロック)カプセルの質量のばらつきが、溶出時間・有効成分のばらつきとなってしまうため、高活性薬剤については、カプセルに充填した後だけではなく、充填前のカプセルの質量管理も厳密に行う必要があります。
業界最高レベルの高精度を実現したアンリツの秤
●差動トランス方式からフォースバランス方式へ
従来機で使用していた弊社独自の差動トランス方式の秤は、シリコンオイルをダンパーとして利用し、バネを利用した構造体の変位を差動トランスで電気信号に変換し質量をもとめる方式でした。1997年当時としては高性能(±2mg)でしたが、オイルの劣化や長期間の使用に伴うはかり(機構)の歪みなどにより定期的な保守作業が必要でした。
●±0.5mgの高精度を実現したフォースバランス方式の原理
フォースバランス方式は、機械的なバランス機構に位置検出センサと電磁力を用いて荷重と吊り合わせる方式で、吊り合わせるために必要なフォースコイル電流の大きさから質量を求めます。これにより±0.5mgという高精度を実現し、さらにオイル、バネを使用しない構造で、機構部品の劣化もほとんどなく保守も不要になりました。
●外乱振動に強く安定して高精度
この方式は差動トランス方式よりも応答性がよく、高精度な質量測定が可能となります。また、無荷重時の平行状態を微調整する機構により、外来振動の影響を抑えることにも成功しました。
●まとめ
業界最高レベル*の±0.5mgという高精度は、生産だけでなく、治験薬の質量チェックにも貢献します。
最先端の医薬品開発、製造にぜひご利用ください。