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QUICCA活用例 Vol.6 2020年11月

食品工場の経営層、管理職のみなさまへ
IoTは「見える化」から始めてみよう

IoTの導入が食品工場でも積極的に始まっています。これは慢性的な労働力不足、作業者の高齢化、原材料費の高騰などが背景にあり、限られたリソース(人、設備、資金)を有効に使うためには、生産効率向上、予防保全、情報共有、ペーパーレス、意志決定の迅速化などが求められているからです。一方、あれもこれもと機能を入れ込んでIoTのシステムを導入してはみたが、思ったほどの投資効果が出ていないという声もよく聞きます。今回は、目的を思い切って絞り、IoTの基本である「見える化」が、生産ラインで作業する社員のモチベーションを上げる効果についてお話しします。


IoTの導入状況

IoTを導入して生産性を上げたいと思う食品企業は確実に増えています。私どものお客さまにアンケートをとった結果によると、IoTに関心があると答えた方は72%、導入済み、もしくは導入予定は40%と高い率を示しています。

IoTへの関心と導入状況

なぜIoTがうまく行かないことが多いのか

二つの理由が考えられます。

1.社内の意識のズレが大きい

IoTシステムのカタログに書かれている「全部門で業務の効率が上がります」というような説明に心が惹かれます。一方、投資額も大きいので導入には期待や不安もつきものです。IoTシステムの導入担当者は、社内でIoTに対する要望を集め始めると、部門や階層により意識のズレが大きいことに驚きます。IoTに懐疑的な人、過剰な期待をする人の説得にあたりますが、システム導入後も調整業務は避けられず、精神的に疲弊します。

社内の意識のズレ

2.IoTを熟知している人材の不足

IoT導入は、自動車製造会社、エレクトロニクス機器製造会社などから始まっています。大規模なシステム構築を前提にしており、ユーザー企業内にはIoTの専門エンジニアがいます。中堅、中小規模が多い食品企業ではIoTを理解できるエンジニアが圧倒的に不足しています。

IoTを熟知している人材の不足

当社は、IoTを今からスタートするなら、まずは「見える化」から始めましょうとお客さまに提案しています。では「見える化」の効果が確実に現れる場所はどこでしょうか?


「見える化」は生産ラインで働く人と共有する

企業内の職種や階層によって「見える化」したいテーマが異なりますが、その情報は上位の階層の社員、もしくは下位の階層の社員と、会議や議論の場で共有していると思います。自分が下した決定に対し、同意や協力を得るには、明快な数字やグラフを使って論旨を補強することが必要だからです。

あなたは生産ラインの現場責任者(ライン長や班長)だと想像してみてください。あなたが期待することを、現場で働く生産ラインの作業員に伝えるベストな方法を考えてみましょう。

「見える化」したい情報は立場によってちがう

現場作業者
  • 残業はしたくない。
  • 困ったときは誰に聞けばいいのだろう。
ライン長(班長)
  • 生産計画通りにモノを作りたい。
  • 歩留まりをよくしたい。
生産管理者
  • 改善の成果を金額で示したい。
  • 現状設備ではこれ以上の生産はできない。
経営者
  • 投資に見合う売上や利益をあげたい。
  • 会社のあるべ姿を社員に理解させたい。

リアルタイムでライン作業者と情報共有

食品の生産工程は一般に、短いリードタイム、多品種小ロット、原料や気候の変動の影響を受けやすいなど、日々の監視と柔軟な対応が求められます。現場で「見える化」導入することで、ライン長であるあなたは、生産ライン作業者に、目標の数字やグラフを視覚的に見せて「一緒に頑張ろう」と鼓舞できます。さらに見せ方を工夫すれば、ライン作業者の意識や行動を自然とプラス方向に変えることも期待できます。当社の総合品質管理システムQUICCAを使った「見える化」の実例を紹介します。

ライン長の目的:生産計画を守りたい。不良品を減らしたい。社員のQC活動を活性化したい。

ライン作業者と共有する情報:生産開始時刻、終了予定時刻、チョコ停発生時間、目標数、生産数(良品、NG品)

情報の共有方法

1.QUICCAの「生産進捗モニター」画面を常時表示

QUICCAの「生産進捗モニター」画面を常時表示

2.現場の作業が目に入る場所に、QUICCA専用の大型モニターを設置

モニターを壁に掛ける、天井から吊るす

3.課題や改善結果をいつでも確認できるよう、ライン長はタブレットを携行

QUICCAと同じ画面のタブレットを携行

現場の意識が目に見えて変わる

QUICCAを導入されたお客さまからは、現場のライン作業者の意識が大きく変わったというお話をよく聞きます。作業者は以下のように話しているそうです。

  • グラフで赤く表示されるチョコ停が気になり始めた。それを無駄と思う気持ちが自然と起きる。
  • 画面上の生産計画ラインより、生産実績ラインが上に来ると気分がいい。早く作業が終わるとQC活動に身が入る。
  • 生産終了時刻が正確に読めると、後片付けの段取りがよくなり、早く帰れるようになって嬉しい。
  • 画面上に表示される指標(不良率、OEEなど)の意味を理解すると、その数字を良くしようという意欲が湧いてくる。
  • 改善活動の前後でどれくらい生産効率が上がったか、ライン長からすぐにグラフを見せてもらえるのでやる気が上がる。
  • 朝礼で次工程が予定から30%も遅延していると班長から聞くと、空いた時間でサポートをしてあげたい気持ちになる。
  • 作業に余裕があるから一日の生産量をもっと増やしましょうと、リーダーに提案したことがある。
  • 職場全体の雰囲気が明るくなったような気がする。カイゼン提案も増えてきた。

「見える化」コストはどれくらい?

QUICCAスタンダード版の導入費用は以下のとおりです。

品名 数量 単価 金額
QUICCA 1 1,600,000 1,600,000
PC 1 200,000 200,000
70インチモニタ 2 300,000 600,000
タブレット 1 100,000 100,000
工事費 1 400,000 400,000
合計     2,900,000

(注)検査機の費用は除きます。

年間1憶円の生産高を上げるラインで、「見える化」による生産性向上効果が3%あったとすると、年間3,000,000円の利益が増えます。上記の導入費用を上回りますので、予算上のハードルは低いのではないでしょうか。


規模の大きいIoTを導入済みのお客さまにも

既に製造実行システム(MES)や監視制御システム(SCADA)を導入済みのお客さまにも、生産ラインの検査機の稼働状況を詳しく見たいと思う場合は大掛かりなシステム変更より、QUICCAの新規導入をお勧めします。QUICCAは上位システムとのデータ連係もできます。

QUICCAは上位システムとのデータ連携も可能

まとめ

今回はQUICCAの基本機能の『生産進捗モニター』による「見える化」の話をしましたが、これはドライブマップに例えればわかりやすいと思います。走行してきた距離と時間、今いる場所と目的地までの距離がわかれば、到着時間は直観的にわかります。このペースなら予定より早く着くことがわかれば、別のルートを通ってみようという心の余裕も出てきます。「見える化」だけのスモールスタートでもIoTの効果は十分実感できると思います。また、QUICCAには、あとからでも追加できる生産性や品質の向上のためのオプションが用意されています。今回の活用例が、今後のIoT導入計画の参考になれば幸いです。

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