“ネットワークの品質保証”という新たな課題のために
1982年、それまでのネットワークの常識を覆す新たな概念が提唱されました。データをパケット(小包)にして送り出すIPプロトコルという通信規約を採用し、世界規模でネットワーク群を相互接続するというインターネットです。インターネットは、電子メールやWebブラウジングといった革新的なサービスを提供するとともに、安価な回線コスト、データ転送との親和性、常時接続など、ほとんどの面でそれまでの通信ネットワークよりも優れた特性を持っていたことから、1990年代後半になると急速に普及し始めました。しかし、課題もありました。パケット通信時の遅延保証や帯域保証に難があったのです。やがてそれらをべストエフォートという形で保証するサービスが登場しました。それは同時に保証通りのサービスが提供できるか検証する必要性が生まれたことも意味していたのです。
(出典:総務省が2015年7月17日に発表した「通信利用動向調査」に基づいてグラフ化)