Vision™は、Windowsオペレーティングシステム(Windows 7/8/10/11)を使用するPC/ラップトップで動作するソフトウェアアプリケーションです。必要に応じてアンリツのリモートスペクトラムモニタ(MS27100A/01A/02A/03AおよびMS27201A)で使用して、干渉信号を識別および探索できます。Visionは、目的の信号の監視および発生場所の推測を行う2つのコンポーネントで構成されています。
- ビジョンモニタ(オプション400)
- ビジョンロケート(オプション401)
ビジョンモニタ
ビジョンモニタは、遠隔でスペクトラム動作を監視するためのユーザーインターフェイスです。測定データは、スペクトラムトレースデータ、スペクトログラム、表、プロットなど、さまざま形式で提供されます。リアルタイムのスペクトラム測定には、複数のモニタが配置されているネットワーク内の任意の場所からアクセスできます。
ビジョンモニタは、完全に自動化されています。測定値はキャプチャされ、定期的にデータベースにアップロードされて、さらに処理を受けます。必要性とストレージ容量に応じて、ユーザーはスペクトラムの履歴を、数ヵ月または数年にわたって保存できます。通常、1,000台のリモートスペクトラムモニタを使用して、各機器が15分ごとにスペクトラムデータをアップロードする場合、30日間のスペクトラムデータを保存するには、約1 TBのストレージ容量が必要です。
すべてのスペクトラム測定データベースは検索可能で、ユーザーは、調査したい信号の波形パターンを短時間で見つけることができます。スペクトラムデータの履歴は、干渉波の原因を立証するために使用できる場合もあります。ビジョンモニタで提供されるその他の機能は、以下のとおりです。
- フィールドなどに配置されたすべてのリモートスペクトラムモニタの管理機能
- 異常を示す場合のしきい値およびトレースマスクの設定
- VSAT端末向け交差偏波測定が実施可能
- 日単位または週単位でのスペクトラムの変化をレポート
- OpenStreetMap™を使用してリモートスペクトラムモニタの位置を可視化する機能
- 各スペクトラムモニタの制御機能
- 異常が発生した位置をマップ上に示すアラームレポート
- 電子メール警告
ビジョンロケート
干渉信号または疑わしい信号が識別されると、ジオロケーションアルゴリズムが適用されて、信号のおおよその位置が特定されます。ビジョンロケートには、干渉信号源の位置を示す機能があります。これによってユーザーは信号源の位置を絞り込むことができるため、その正確な位置を見つける時間と手間が最小限で済みます。OpenStreenMap™を使用して、干渉の推定位置が表示されます。
過去に干渉が発生している場合は、履歴データを使用して、目的の信号の推定位置を示すこともできます。電波監視ネットワーク内の任意のスペクトラムモニタが検出する異常に対して、検索を行うことができます。目的の信号の位置を正確に三角測量するためには、3つ以上のリモートスペクトラムモニタが必要です。干渉信号の位置を推定するには、POA(Power of Arrival)や TDOA(Time Difference of Arrival)アルゴリズムが使用されます。