電波法令用5G RF Regulatory テストソリューションの販売を開始
2021/02/12
ME7803NRで5G対応端末の普及促進に貢献
アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、5G(第5世代通信システム)対応端末の電波法令用試験[※1]システムであるRF Regulatory テストシステム ME7803NRを開発。1月末から販売を開始しました。
今回開発したRF Regulatory テストシステム ME7803NRは、ラジオ コミュニケーション テストステーション MT8000Aを5G NRの疑似基地局として使用し、スペクトラムアナライザ、信号発生器を組み合わせることにより、ARIB[※2]/ETSI[※3]/FCC[※4]が策定する規則で定めるFR1 RF試験に対応するテストソリューションです。お客さま単独での試験構築が困難なスプリアス試験や妨害波試験も測定可能なプラットフォームとなっています。
5G端末のRF性能が各法令に準拠しているか、効率的に電波を使用しているかを容易に評価することが可能となり、5G商用端末の普及に向けて大きく貢献いたします。また、操作性に優れたGUI、信頼性を向上させる補正機能を搭載しており、5G端末の測定効率や品質向上に寄与します。
アンリツは今後も5Gモバイルネットワークの商用サービスにおいて重要な役割を果たし、5G対応端末の市場投入促進に貢献してまいります。
製品概要
RF Regulatory テストシステム ME7803NR
ME7803NRは、5G NR端末において電波法令に基づくFR1 RF試験に対応したテストソリューションです。ラジオ コミュニケーション テストステーション MT8000Aを5G NRの擬似基地局、ラジオ コミュニケーション アナライザ MT8821CをLTE Anchorとして使用し、各種測定器と専用ソフトウェアにて構成されています。5G NRノンスタンドアローンモード[※5]での呼接続による5G RF Regulatory(ARIB/ETSI/FCC)のConducted試験[※6]が実施できます。
ME7803NRについてもっと詳しく
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主な特長
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各地域の周波数Bandに対応
北米、欧州、アジア各国で運用が開始、もしくは開始が予定されている認証対象Band(5G NR Bandおよび5G NSAモードにおけるLTE Band for LTE Anchor)に対応します。
- お客さまの資産を流用可能
MT8000A、MT8821C、MS2840A/MS2850A、MG3710E、MG3694Cなど、お客さまがお持ちの測定器を組み込むことができます。各単体測定器を流用する場合は、必要最小限のハードウェア追加でME7803NRへ組み上げることが可能です。
- Regulatory試験との共用
ME7803NRで使用するMT8000AとMT8821Cは、SAR[※7]/OTA[※8]/EMC[※9]試験へ共用可能です。
- 信頼性を向上させる補正機能
ME7803NRでは、測定の安定性、測定値の信頼性を向上させるため、接続構成変更時など必要に応じて校正を実施することが可能です。
用語解説
- [※1] 電波法令用試験 RF Regulatoryテスト
- 携帯端末の送受信特性などが電波法令に適合していることを確認するための試験。
- [※2] ARIB(Association of Radio Industries and Businesses)
- 一般社団法人電波産業会:日本の携帯電話やデジタル放送に関する標準規格策定を行っている業界団体。無線設備規則に沿って標準規格を策定している。
- [※3] ETSI(European Telecommunications Standards Institute)
- 欧州電気通信標準化機構:EUが後援する、情報通信技術に世界的に適用可能な標準を作成しているヨーロッパの電気通信の全般にかかわる標準化組織。欧州の無線指令であるRED(Radio Equipment Directive)を策定している。
- [※4] FCC(Federal Communications Commission)
- 連邦通信委員会:アメリカ合衆国議会の法令によって創設、監督され、及び権限を与えられたアメリカ合衆国政府の独立機関であり、アメリカ国内の放送通信事業の規制監督を行う。連邦規則集のCFR(Code of Federal Regulations)を策定している。
- [※5] ノンスタンドアローンモード(Non-Standalone mode; NSA)
- 4G回線でC-Plane(Control Plane:制御信号)通信を行い、5G回線でU-Plane(User Plane:ユーザーデータ信号)に特化して通信を行うネットワークで、3GPP Release 15で定義されている通信方式。
- [※6] Conducted試験
- 有線接続による試験。
- [※7] SAR試験(Specific Absorption Rate)
- 人体への特定部位に加えられた電磁波エネルギーの比吸収率を評価する試験。頭に対するHead SAR試験と胴体(頭以外)に対するBody SAR試験がある。
- [※8] OTA試験(Over the Air)
- OTAはOver the Airの略。空間を介して電波の送受信を行い、無線機の信頼性、効率性および性能を正確に評価する試験。
- [※9] EMC試験(Electro Magnetic Compatibility)
- 電磁波によって電気機器、電子機器が誤動作しないか評価する試験。