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シグナルアナライザ MS2850Aで5G NR信号解析に対応

2018/03/14
5G商用サービスの早期実現に貢献

MS2850A

アンリツ株式会社(社長 橋本裕一)は、シグナルアナライザ MS2850Aの5G(第5世代移動通信システム)測定機能の拡充を図り、3GPPで規格化された5G標準規格(以下、5G NR)に準拠した測定ソフトウェア を開発。3月14日から販売いたします。

今回開発したソフトウェアは次の4種類です。

  • NR TDD sub-6GHz ダウンリンク MX285051A-011
  • NR TDD sub-6GHz アップリンク MX285051A-061
  • NR TDD mmWave ダウンリンク MX285051A-021
  • NR TDD mmWave アップリンク MX285051A-071

シグナルアナライザ MS2850Aに、すでに提供している5G測定ソフトウェアと新開発の5G NRオプションをインストールすることにより、6 GHz以下の周波数帯(以下、sub-6GHz)および28GHz帯や39GHz帯といったミリ波帯で運用される5G無線信号の送信電力や周波数誤差、EVM[※1]などの解析を、簡単、高速かつ安定的に実行できます。

アンリツは無線通信試験の分野で、常に最先端の測定ソリューションを提供し、2G/3G/4G通信システムの運用開始と商用化を支えてきました。
5Gシステムにおいても、MS2850Aで5G NR準拠の測定ソリューションを提供することにより、サービスの早期実現に貢献いたします。

開発の背景

3GPPにおいて5G NRの標準化が進展していることを受け、米国、日本、韓国などで商用化に向けた動きが加速しています。これにともない商用サービスで使用される基地局や端末の開発・製造用測定器のニーズが高まっています。
この用途で使用される測定器には、5G NR規格に対応した高度な測定技術と優れたコストパーフォンマンスが求められています。

アンリツは従来から、5G対応測定器として、低価格でハイエンドモデルに匹敵する高精度な信号解析機能を備えたMS2850Aを提供しています。
今回、MS2850Aで、5G NR測定に対応したことで、お客さまのニーズに応えるソリューションの提供を可能としました。

製品概要

5G測定ソフトウェアと5G NRオプションは、5G対応無線通信装置の開発・製造用測定器として提供しているMS2850Aの本体内蔵型測定ソフトウェアオプションです。

5G NRで規定されるsub-6GHzおよびミリ波帯のアップリンク信号/ダウンリンク信号[※2]をサポートし、複数のコンポーネントキャリア[※3](最大400MHz)とサブキャリア[※4]間隔から組み合せを指定することで信号解析が行えます。

主な特徴

高精度な信号解析を低価格で実現
MS2850Aは、低価格でありながら、ハイエンドモデルに匹敵する優れたダイナミックレンジ[※5]振幅/位相フラットネス[※6]特性を備えており、高精度な信号解析を行うことができ、製品品質の向上と導入コストの低減を両立できます。
高信頼測定
MS2850Aは、端末・チップセットのリーディングカンパニーから5G用測定器として採用されており、測定機能、測定性能において高い信頼性を有しています。

対象市場・用途

対象市場:無線通信機器メーカー、電子部品メーカー、携帯電話事業者

用途:5G端末・衛星通信用無線通信装置・広帯域無線通信システムの開発/製造、衛星通信の監視など

用語解説

[※1]EVM
Error Vector Magnitudeの略。測定しているデジタル変調信号が、理想信号に対してどのくらいの誤差を持つのかを表した指標。
[※2]アップリンク信号/ダウンリンク信号
アップリンク信号は、端末から基地局に向けて送信される信号。ダウンリンク信号は、基地局から端末への信号。
[※3]コンポーネントキャリア
無線通信の搬送波あたりの通信帯域のこと。キャリアアグリゲーション(CA)や5Gなどで、複数の帯域を束ねてひとつの通信としたときの、それぞれの帯域を指す。
[※4]サブキャリア
コンポーネントキャリアを構成する搬送波。
[※5]ダイナミックレンジ
測定器の性能を表す尺度。ダイナミックレンジが大きいほど、広いレベル範囲の信号を測定できる。
[※6]振幅/位相フラットネス
振幅フラットネスは、測定している無線機の送信信号レベルを、一定の周波数範囲内で、実際の信号レベルよりどれだけ変化させずに表示できるかを表した指標。位相フラットネスは、測定している無線機の送信信号の位相(遅延時間)を、特定の周波数での値を基準にして、ある一定の周波数範囲内でどれだけ変化させずに表示できるかを表した指標。

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