用語解説
オートチェッカ関連
規格の一例:KW6203AF03 の場合
形名 |
KW6203AF03 |
計量範囲 |
2~600g |
最高選別精度(3σ) |
±0.02g |
最高選別能力 |
400個/min |
表示方式 |
10.4インチカラーTFT液晶 |
操作方式 |
タッチパネル |
最大表示値 |
600.9g |
表示目盛 |
0.02g/600g、0.01g/300g(マルチレンジ) |
リミット範囲 |
最大表示値以下 |
品種数 |
最大100品種 |
選別段階 |
2または3 |
計量範囲:
オートチェッカが正確に計量できる質量の範囲を表します。
計量法の適用を受ける静止秤は、最大計量範囲(ひょう量)は秤の精度が維持できる最大値を表し、最小計量範囲は秤の精度等級で自動算出されますが、オ-トチェッカは計量法の適用を受けないため表記の統一がなされていません。
当社のオートチェッカの最大計量範囲は選別精度が維持できる最大計量値を示し、最小計量範囲は搬送、秤量機構や選別精度、表示目量などの制約を総合して決定しています。
選別精度:
静止秤の場合は、確からしさ(搭載質量と秤の表示値の差)を秤の精度等級で表記します。
オートチェッカの場合は、その商品の質量が規格に適合しているかどうかを自動選別するのが主な目的なので、秤の確からしさを選別精度と表記し、±3σ(標準偏差を参照)で表しています。この値が小さいほど高精度なオートチェッカです。
最高選別能力:
オートチェッカが、一分間に計量・選別できる最高能力を xx個/minという値で表します。
カタログ規格には最高値を記載していますが、実際には計量品の寸法形状、必要とする選別精度によって変わります。つまり、カタログ規格内容(計量範囲、選別精度、計量品寸法など)の全ての組み合わせに対して、最高選別能力が保証されているわけではないことに注意してください。
また、前段の包装機能力が50個/minとすると、理論的なオートチェッカの選別能力は50個/minあれば充分ですが、実際には、包装機とオートチェッカの継ぎの部分で、品物の流れにムラが生じて間隔が不揃いになる場合があり、計量品間隔が狭いところでは瞬間最高能力が50個/minを越えます。この場合は、オートチェッカの選別能力に多少の余裕をみるか、定間隔送り装置を設ける必要があります。
最大表示値:
質量値(計量値)を表示できる範囲を表わします。
一般には計量範囲の1.1倍になっています(SVシリーズ オートチェッカを除く)。
SVシリーズオートチェッカでは、国際勧告OIMLで規程された範囲までの表示となります。
表示目量:
最小目盛とも言い、表示値の最小変化ピッチを示します。
リミット設定範囲:
計量品を -NG、PASS、+NGの3段階に選別するには、過量側と軽量側の2つのリミット値を設定しなければなりません。こ
のリミット値の設定範囲が0g~最大表示値であることを示します。
選別段階:
一般的には-NG、PASS、+NGの3段階選別と、-NG、PASSの2段階選別が行われており、当社のカタログに"2または3"と
あるのは、このどちらにも使用できることを示します。
量目公差:
計量法に「政令で定める商品(特定商品)を計量販売するときは、政令で定める誤差を超えないように計量しなければならない。」とあります。この誤差が量目公差です。
マルチレンジ:
計量品の質量に合わせて計量範囲と表示目量を自動的に切替えることにより、選別精度を向上する機能です。
表示目量0.1gで2500g を計量すると、分解能は1/25000 ですが、250gを計量すると分解能が1/2500 になり選別精度が悪化します。
マルチレンジ機能を使えば、表示目量を0.02gにして250gを計量することで分解能を1/12500 に維持することができます。
[SVシリーズ オートチェッカ 取扱説明書より]
複数の計量範囲(下表参照)から、上限範囲(基準値+上限値+風袋値)を超えない範囲で、最も小さい計量値と表示目量
を自動的に選択する
機種 |
基準値+上限値+風袋値
m |
計量範囲
g |
目量
g |
KW6200
タイプ |
0<m<300 |
300 |
0.01 |
300<m<600 |
600 |
0.02 |
KW6400
タイプ |
0<m<600 |
600 |
0.02 |
600<m<1200 |
1200 |
0.05 |
1200<m<2000 |
2000 |
0.05 |
2000<m<3000 |
3000 |
0.1 |
バッチ:
統計処理などの対象となる一連のデータの集合を言います。
例えばオートチェッカの統計記録をとる場合、B(バッチ数)に設定された個数ごとに小計統計値が記録されます。
自動感度校正:
秤に内蔵された校正用分銅を用いて自動的に感度を校正する機能です。
分銅を用いた手動感度校正のわずらわしさや、操作ミスを防ぐことができます。
標準偏差(σまたはs):
量産品の質量は正規分布を示し、この分布は標準偏差と平均値で表記されます。標準偏差は、バラツキの度合いを示すもの
で、σの値が小さいほどバラツキが少ないことを示します。±3σの範囲に分布の99.73%が入ります。
平均値:
データを全部加えてデータの個数で割った値を言い、記号はμ(ミュー:母集団の平均値)または
で表します。
バラツキ幅(範囲 R:):
最大値から最小値を引いた値。
定間隔送り装置:
コンベア乗り移りなどでばらついた計量品の間隔を一定に揃える装置です。
分解能:
接近した質量値を識別できる能力で、この値が小さいほど分解能が高いことを意味します。
分解能=表示目量÷計量範囲