HALT試験の効果
HALTは高いレベルの環境ストレスの中で、製品の運転限界と破壊限界に対する設計マージンを見つけるためのステップ・ストレス試験。
1980年代ににアメリカで始まった試験方法で、近年、製品モデルの更新サイクルが早いことから、故障の芽を短時間で発見し、開発時間を短縮する方法とし て、アジアでは台湾、韓国、中国において普及が広がり、日本でもその重要性が認識されてきています。
HALT実施を製品の納入条件にしている企業も、海外を中心に出始めています。
効果
- 設計及び製造工程の欠陥をすばやく発見
- 設計余裕の評価及び改善
- 十分に完成された商品を市場に投入可能
- 開発コスト及び時間の削減
- 発売前の設計問題の排除
- 部品性能評価ができ、安定したコスト削減が可能
- 市場不具合の再現が短時間で可能
動画でわかるHALT試験の効果
HALT試験と従来試験の対比
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HALT |
環境試験(狭義) |
寿命試験 |
目的 |
製品に潜む弱点(故障の芽)の迅速発見。開発期間の短縮。 |
使用環境をシミュレートし、定められた環境仕様内で製品が正常に動作することを確認。 |
通常の使用環境における製品寿命の推定。 |
試験時間 |
通常5日間
※試験時間を短縮した試験も可能です。 |
1~2週間 |
数週間~数ヶ月 |
印加ストレス |
温度・振動のステップストレスおよび複合ストレス |
試験規格による。温湿度、振動、静電気、電磁波等 |
定められた温度、湿度、圧力、電圧等 |
試験規格 |
基準を満たすか否かの試験ではないため規格はありませんが、Qualmark社の提唱する方法が一般的です。 |
JIS、IEC等の規格あり。温湿度、振動、EMC等 |
光ディスク、鉛フリー基板、コンデンサ等業界標準あり。 |
HALTは短期間で製品の評価を行えますが、製品の寿命を推定できるものではなく、従来行われてきた環境試験、寿命試験などの信頼性試験にとって代わるものではありません。