1994年のある日、アメリカのMMD(マイクロウェーブメジャメントディビジョン)に勤める社員の一人が読んでいた雑誌に、山頂の基地局をメンテナンスする作業者が大きなスペクトラムアナライザをかついで登っている写真が載っていました。彼は、小型の測定器があれば作業者の負担が軽減されるだろうと考え、会社に開発を進言しました。
「さまざまなワイヤレスネットワークでは多数のアンテナが必要になります。アンテナは設置時や故障が発生した時にリターンロスなどの試験が必要になります。アンテナへのアクセスは困難であろうと予想されますから、携帯型の計測器が必要になるはずです」と書き出されたレター。これがハンドヘルドタイプの計測器の開発につながりました。
相談されたエンジニアが食事中に思いついてナプキンにメモした回路図をもとに、なんとその4ヵ月後にはプロトタイプを完成させ、10ヵ月で商品化。これが1995年に登場したサイトマスタです。