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スペクトラムアナライザの測定ダイナミックレンジをマイクロ波、ミリ波帯でさらに向上

2016/10/27
シグナルアナライザ MS2840Aシリーズを機能強化

ms2840a

アンリツ株式会社(社長 橋本 裕一)は、シグナルアナライザ MS2840A用のオプション「Noise Floor Reduction MS2840A-051」(以下NFRオプション)と「2 dB ステップアッテネータ ミリ波用 MS2840A-019」(以下、2 dB ステップアッテネータオプション)を開発。10月24日から販売いたします。

NFRオプションは、MS2840Aが内部にもつ雑音レベル[※1]を測定結果から最大11 dB(設計値)差し引くことができます。これにより、表示するノイズフロア[※2]を低減し、非常に低いレベルの信号を従来よりも正確に測定することを可能にします。

2 dB ステップアッテネータオプションは、44.5 GHzモデルのMS2840A専用オプションです。標準仕様のストップ周波数[※3]6 GHz以上にて10 dBステップ・0~60 dBですが、本オプションを使用することにより、全周波数で、2 dBステップ・0~60 dBのアッテネータ[※4]設定が行えます。これにより、高い周波数でもミキサ入力レベルを最適化して測定ダイナミックレンジ[※5]を向上させることができます。

なお、他の周波数モデル(3.6 GHz / 6 GHz / 26.5 GHzモデル)のアッテネータは、標準仕様で全周波数帯において2 dBステップ・0~60 dBを実現しています。

NFRオプションおよび2 dB ステップアッテネータオプションを使用することにより、スペクトラムエミッション[※6]隣接チャネル漏洩電力[※7]送信オン/オフ[※8]といった特に高いダイナミックレンジを必要とする広帯域信号やマイクロ/ミリ波における測定確度向上に貢献いたします。


[開発の背景]

モバイル通信や衛星通信/放送、さらに近年は海上・航空を含む公共業務通信においても、高品質な画像や動画の利用が年々増加しています。これにともない、より高速な無線通信を実現するため、無線信号の広帯域化と広いスペクトラム資源が確保できるマイクロ/ミリ波を利用する動きが広がっています。

広帯域信号やマイクロ/ミリ波で高品質な無線通信を行うためには送信機に高いダイナミックレンジ性能が求められます。また、限られた帯域内で無線通信を利用するシステムが増加したことにより、システム間で発生する干渉が問題になるケースが増えており、干渉の原因となるノイズをいかに抑えるかということが課題になっています。

こうした中、測定器に対しても従来よりも高いダイナミックレンジを実現するソリューションが求められています。

そこでアンリツは、MS2840A用オプションとして、NFRオプション、2 dB ステップアッテネータオプションを開発しました。上記オプションを使用することにより、MS2840Aの測定ダイナミックレンジが向上。広帯域信号やマイクロ/ミリ波における測定を高確度に行えます。


[製品概要]

シグナルアナライザMS2840Aは、ミドルクラスながら高級機並みの近傍位相雑音性能を実現したシグナルアナライザ/スペクトラムアナライザです。最大測定周波数の違いにより3.6 GHz/6 GHz/26.5 GHz/44.5 GHzの4モデルを用意しており、26.5 GHz/44.5 GHzモデルは外付けのミキサを接続することで測定周波数を最大325 GHzまで拡張できます。

MS2840Aはその高性能を生かし、狭帯域無線機(業務用無線機)や無線機内蔵の発振モジュール、無線バックホール、衛星通信、レーダーなどの無線装置の研究/開発・製造用測定器として活用できます。

今回開発したNoise Floor Reduction MS2840A-051、2 dB ステップアッテネータ ミリ波用 MS2840A-019を使用することにより、測定ダイナミックレンジをさらに向上させることができます。


■Noise Floor Reduction MS2840A-051

  • MS2840Aがもつノイズ成分(最大11 dB(Nominal))を測定結果から差し引くことで受信感度を向上させ、より高いダイナミックレンジで測定できます。また、低いレベルの信号をより正確に測定できます。

  • 一度測定したノイズ量をMS2840A内部で保持できることから、従来のように測定/掃引毎にノイズ成分を測定する必要はなく、通常と同じ時間で測定できます

  • 外部ミキサを接続した測定にも使用できます。特に26.5 GHz/44.5 GHzモデルに高性能導波管ミキサMA2806A/MA2808A を組み合わせることにより、Vバンド(50 GHz~75 GHz)やEバンド(60 GHz~90 GHz)の信号を高いダイナミックレンジで測定できます。

  • スペクトラムアナライザ機能において本オプションを有効にできます。
  • MS2840Aの全周波数モデル(3.6 GHz/6 GHz/26.5 GHz/44.5 GHzモデル)に搭載できます。
  • ■2 dB ステップアッテネータ ミリ波用 MS2840A-019

  • 本オプションはMS2840A 44.5 GHzモデル専用です。ストップ周波数6 GHz以上において、2 dBステップ・0~60 dBでアッテネータ設定ができます。

  • ミキサ入力レベルを最適値に調整し、測定ダイナミックレンジを最大化できます。

  • ※ 44.5 GHzモデルの標準仕様(本オプション未搭載)ではストップ周波数6 GHz以上にて10 dBステップ・0~60 dBです。他の周波数モデル(3.6 GHz / 6 GHz / 26.5 GHzモデル)のアッテネータは標準仕様で全周波数帯において2 dBステップ・0~60 dBです。

    [ シグナルアナライザ/スペクトラムアナライザ MS2840Aについてもっと詳しく ]


    [シグナルアナライザMS2840Aと高性能導波管ミキサ MA2806A/MA2808Aを組み合わせたミリ波測定についてもっと詳しく ]


    [対象市場・用途]

    対象市場

    無線通信機器メーカー、電子部品メーカー

    用途

    業務用無線機、無線機内蔵の発振モジュール、無線バックホール、レーダー、衛星通信等の研究・開発・製造


    [※用語解説]

    [※1]雑音レベル

    熱雑音や回路を通じて累積的に加算されるノイズ。

    [※2]ノイズフロア
    測定器に信号が入力されていなくても、その内部で発生し表示される雑音レベル。

    [※3]ストップ周波数
    スペクトラムアナライザ機能で波形を表示させるとき、測定周波数上限(画面の右端)として設定した周波数。

    [※4]アッテネータ
    入力信号のレベルを調整するためのスペクトラムアナライザのミキサ前段にある減衰素子。大きいレベルの信号を入力したとき測定器の破損や表示波形の歪みが生じないようにしたり、小さいレベルの信号を入力したときそのノイズフロアによって信号が隠れないようにしたりするための調整パラメータ。

    [※5]ダイナミックレンジ
    正しく測定できる最大レベルと最小レベルの比。プリアンプやアッテネータでノイズフロアを最小限に抑え、かつミキサで歪まないレベルに調整することで最大化することができる。

    [※6]スペクトラムエミッション
    ある決められた周波数帯域幅の信号から、帯域外に漏れた信号成分。通常、スペクトラム・エミッション・マスクとして、キャリア周波数からのオフセット周波数に応じて、リミットレベルが規定されている。

    [※7]隣接チャネル漏洩電力
    ある決められた周波数帯域幅を1つのチャネルとした際の、隣接するチャネルに漏れた信号成分の電力。

    [※8]送信オン/オフ
    TDDなど送信の出力(オン)と停止(オフ)を連続的に繰り返すような無線機/システムにおいて、オフ区間の電力が規定以下になっているかを測定する。オン区間の電力が大きい場合はアッテネータ量を減らせないため、オフ区間の電力がアッテネータによるノイズ成分に隠れてしまう場合があるが、NFRによってそれを差し引くことで測定できる場合が増える。

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